いけばなは、生きているその瞬間だけのもので残りません。写真や動画は撮れますが、実物を観ることにはとても及びません。人間の感覚に代わるものは無い、立体や“動き”を映像で伝えることは本当に難しいと感じます。
実体が残らないのは良い面もあって、残らないからこそ常にベストを目指し新たな挑戦を試みることができ、いくつ作品をつくっても消えていく~場所をとらない(*^_^*)!
お稽古場の壁には、そのときの季節や気持ちにあわせて絵やオブジェを飾っています。8月からこの3か月は、昨年亡くなった三坂基文さんの作品を掛けてきました。
こうして思いを馳せていると、かたちが残ることの有り難さも感じます。そしてあのときの言葉や楽しさや、これが様々な手を経て今自分の手にあることの貴さを思います。かたちだけではないことを感じます。